日刊建設工業新聞

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日刊建設工業新聞2001年11月5日付13面【関西発・チャレンジ21・企業・人…】掲載記事


環境型社会
型枠業界初のレンタァールシステム確立
環境配慮型アールフレックスが注目を集める


地球環境問題の高まりから建設廃材の処理に関心が集まっている。
とりわけ建築・土木工事で多用される合板型枠は熱帯雨林を破壊すると言われ、その対策が業界の大きなテーマとなっている。
循環型社会の形成や建設リサイクル法の本格施工に伴い、型枠メーカーはこうした課題の解決を迫られている。
こうした中、大阪府堺市に本社を置くパネル工業(谷川宏代表取締役社長)は、通常5、6回と言われる合板型枠の転用回数を 30〜40回に増やした曲面型枠「アールフレックス」を開発。
型枠業界では初のレンタルシステム「レンタァールシステム」を確立し、今年10月から本格的な営業活動を 展開している。
わずか数回で廃棄処分されるアールフォーム(型枠用成型合板)に対し「もったいない」という思いと「木の生命をいただきます」 という感謝の気持ちを商品開発の理念としている同社の谷川社長に経営理念や今後の経営戦略を聞いた。
--会社設立の経緯は
「私自身、高校生のころから人生12年周期節を考え、23歳で社会人となり、建築金物会社の常務を務め、システム型枠の 販売を手がけゼネコンの現場を回った。
12年後の35歳の時に現在のパネル工業を設立した。さらに12年後の今年1月47歳の時に 低価格、高機能、高精度で美しい型枠『Bコンセプト』を世に出した。熱帯雨林の保全を目指すNGO(非政府組織民間団体) にも属し活動してきた。
パネル工業設立に当たっては、『環境対応型企業』を経営理念とし、人にも仕事にもやさしくという思いを 込めて社是を『仁』『人べんの品=造語』『優』とした。人と自然の調和をめざしたビジネスを展開している」
--曲面型枠のアールフレックスが評判ですね
「多様化する建築に伴い、複雑なフォルムに対応できる型枠が求められている。
当社が開発した曲面対応型枠アールフレックスは、 R500ミリから無限大の曲面に7種類のパネルで対応できる画期的な型枠だ。
開発テーマは、早くて、安くて、美味しい(精度がよい) が実現できる成型合板だ。円形以外にも楕円・放物線・双曲線・複合円・円すい・球面体にも使え、通常の成型合板と違って価格は 円形と同額となっている。また、Rの補正は指一本で簡単にできる程度におさえたことも大きな特徴だ」
--業界初のレンタァールシステムが注目されていますが
「建設リサイクル法の完全実施に向けて廃棄木材は焼却が難しくなっている。
なぜなら2005年までに国の直轄事業に おいては最終処分量をゼロに、そして2010年にはすべての建設発生生木材廃棄物の95%リサイクル率を達成しなければならないからだ。 このため、東京や大阪の大都市圏では4トン車一台の処分費(輸送費込み)が8〜9万もかかると言われている。 アールフレックスを使えばこの費用が不必要になる。」

「型枠業者として循環型社会形成への対応は当然のことで、これを可能にしたのが『レンタァールシステム』だ。優れた耐久性を持った 高品質の型枠を再レンタル品ならば従来の販売成型合板型枠の約2分の1という低価格で提供する。また、万全な管理体制で保管し、 廃棄物としての処理費が不要なため、手間とコストを大幅に軽減することができる。現在、全国に正規代理店を募集しており、すでに レンタァール九州をはじめ全国の5社で取り扱っている。来年には15社程度を見込んでいる。21世紀のビジネスモデルと考えている。 当面、曲面型枠で年間10億円、フラット型枠(TECOフォームなど)で同じく5億円の販売を見込んでいる」

会社概要
パネル工業=谷川宏(たにがわ・ひろし)代表取締役社長。
創立1989年1月。
本社所在地・大阪府堺市深井沢町3125番地、アートビル4階
(電話072・277・9966、FAX072・277・9970)
社員数9人。「型枠を通じ建設業のイメージアップを目指す」
福岡県出身、48歳
URL=http://www.panel.co.jp/

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